どうやって泣き虫の子に声をかければいいの?

今回は泣き虫な子どもの精神的な不調についてです。2~5歳の段階の「よく泣く子」が少しずつ泣かなくて済むようになる言葉かけの方法を説明します。

子どもの感情の起伏を見逃さない

大人に比べても子どもは感情の波が激しいものです。気分は上がったり下がったり、時には自分の感情に振りまわされてクタクタになってしまいます。

母親のたった一言、うす暗い部屋、周囲の大きな音、たったそれだけで瞬間的に子どもの気分は落ち込み、泣き出します。(もちろん立ち直るのも早いのですが)

その切り替わりは大人からみると素早すぎてついて行くのが難しく、ついつい「泣いたり笑ったりしているけど、おおむね大丈夫」という評価をしてしまいがちです。

ですが一回一回の泣いたり笑ったりが子ども本人にとっては一大事、重大事件であることは忘れないようにしたいものです。

何で泣いているのか自分ではわからない

子どもが泣き出した時に「何で泣いてるの?」「何が悲しいの?」と聞いてあげることは重要ですが、そこに明快な答えを期待してはいけません。

大人と違い、まだまだ自分の感情にハッキリとした区別や分類はついていません。自分でもわけがわからないうちに悲しくなって涙が出てしまうのです。

大人が優しく声をかけて「どうしたの?」と聞いてくれることで感情が和らぎます。その上で大人の側から「転んだから痛いのかな?」「ビックリしちゃったのかな?」等と泣いている理由の選択肢を用意してあげてください。

そこから選ぶことで自分の感情を整理して「こういう理由で泣いたのだ」と学習します。次回以降は少し自分で理由を説明できるようになるかもしれません。

「泣いちゃダメ」という言い方

そんなことくらいで、という理由で子どもは泣くものですが、どうやって泣く頻度を減らしていけるでしょうか?

ここに二つの言い方があります。「そんなことで泣いちゃダメ」と「そんなことで泣かなくていい」です。この違いを使い分けて子どもを上手く励ましてあげてください。

「泣いちゃダメ」というのは、もう少し強くなって次からは泣かないようになれ、という意味ですが、子どもに向かって言う時に大事なポイントがあります。

泣いている最中に泣くなといっても無理です。それは泣いている自分への非難の言葉に聞こえてしまいます。更に激しく泣くことになるでしょうし、泣くなという指示は泣いている最中に忘れてしまいます。

ポイントは子どもが泣きやんでから「よし、泣きやめたね。えらい」とプライドをくすぐってから言うことです。「次からは泣かない強い子になった」という部分を協調してあげるのが重要です。

くれぐれも「こんなことぐらいで泣くのは恥ずかしい」という意味の話をするのは泣きやんでからにしてください。

「もう泣かなくていい」という言い方

「もう泣かなくてもいいんだよ」という慰め方は泣いている最中にも声かけすることができます。それは小さな原因ほど重要です。

子どもは泣き始めた後でテンションが下がってきても、いつ泣きやんだらいいのかわかりません。また少し成長してくると最初から大人にアピールするように泣いてくる子どももいます。

そこで「もう、ここで泣くのをストップしていいんだよ」「君の悲しい気持ちはよくわかった」ということを伝えてあげるのです。

これには更に続きがあります。それくらいの事で泣かなくていい「だから次からは泣かないで教えてちょうだい」と促すのがポイントです。

悲しいこと、困ったことがあった。それをママに話そう、教えよう、ということを憶えてもらうのです。

もちろん最初のうちは細かいことまで言いにこられてウンザリするかもしれませんが、子どもが泣かなくなる途中の段階として「泣かずに口で言えるようになる」ことは必要なことだと思ってください。