子どもが言うことを聞いてくれないのは何で?
単語だけで叱らない、怒る時は文で
おもちゃを振りまわす子ども、危ない場面で近くにいた大人は何と声をかけますか?食事中によそ見をして口からどんどんこぼれている時、何と言って注意をしますか?
このような時に多くのママが「おもちゃ!」「ごはん!」というような声のかけ方をしてしまいます。
とっさのことだったり、毎回繰り返してウンザリしていることだったりで、ついつい大人の側にも短いフレーズ、単語で叱る癖がついてしまいます。
子どもに伝わっていますか?
注意したり叱ったりするのは言うまでもなく「子どもに何かできるようになってほしい、失敗しないようにしてほしい」からですが、繰り返しているうちに目的がぼやけて曖昧になってきます。
例えば「ほら、おもちゃ!」と声をかけた時に瞬間的に「あぁ、僕が振りまわしている玩具が人や物に当たると危ないから止めるように言われているんだな」と理解できる子どもはほとんどいません。
敏感な子どもは大人の口調やニュアンスで怒られている、非難されていることは理解できますが、それでも玩具をどうすればいいのか、どうすれば叱られないようになるのか咄嗟には判断できません。
丁寧に正確に伝える
大人の側から「流れからすると、それぐらい言われなくても解るでしょ」と思えることが子どもにはサッパリわかっていないことは多いものです。
「ほら、ごはん!」という言葉が、早く食べろ、良く噛んでたべろ、こぼすな、たくさん食べろ、食べ物で遊ぶな、よそ見するな、途中で止めるな、手でつかむな、吐き出すな、好き嫌いするな、という多種多様な意味で使われると子どもとしても困ってしまいます。
繰り返しになってしまっても、直前に何度も同じことを言っていても、できるだけ省略せずに伝えるようにしてください。
理想としては理由や原因をきちんと説明して「どうすればいいのか?」を伝えることです。
「ご飯をこぼすと洋服が汚れるから、こぼれないように食べながらしゃべらないようにね」と伝えた時に、一度に100%理解できるわけではありません。ですが理解できないから説明しなければいつまでたっても理解できないままなのです。
子どもが理解を諦めてしまう
親御さんからすると「何回言ってもわかってくれない、言うことを聞いてくれない」というケースでは、子どもに正解が伝わっていないケースが多いものです。
「○○するな」ではなく「○○しよう!」の形で説明してください。「こぼすな!」ではなく「ゆっくり食べよう」と伝えた方が理解が早いのです。もちろん「ごはん!」と言っただけではわかってもらえません。
ずっと単語や短いフレーズで子どもを叱っていると、子どもにとっては「どうしたらいいかわからないのに、ずっとママに叱られている」ままになってしまいます。
ずっとこれが続くと子どもは「何で叱られるのか?」「どうすればいいのか?」を考えることを諦めてしまいます。ママやパパにしてみれば「何度も言ったつもり」でも、子どもには理解できないことが多いことを忘れないでください。
もっと人生経験やケーススタディを積み小学校入学に近づけば、流れや文脈から叱られた理由や解決策を自分で探せるでしょうが、それはまだまだ先のことです。
それまでは叱る時に一言で済ませずに、少しくどいくらいに子どもに説明をするように心がけてください。