大震災などの災害時の乳幼児の心のケアとPTSD

未曾有の大震災から一週間が経過しました。 今も苦しんでいらっしゃる方も多いと思います。 被害に遭われた皆様、関係者の方に心からお見舞い申し上げます。

PTSD(心的外傷後ストレス障害)という言葉をご存じの方も多いと思います。 自然災害や緊急事態などによっても引き起こされることが多いのですが、 なかなか正確な情報が出回っていませんので書いてみたいと思います。

最初にできることは予防

災害が起こった今現在に慌ててPTSDかどうか判断することにあまり意味はありません。

被災された方は大人も子どもも悲しみ落ち込み不安な感情を抱いているでしょうが、それは正常なことです。時間と共に少しずつ癒されていく事を願います。

逆に今は平気でも数週間~数ヶ月後に悪夢のように記憶がフラッシュバックして精神的な安定が崩れる場合もあります。

つまり長期間に様子を見てみないと本当の心理的が心の傷というのは判断できないのです。過度の心配も楽観も禁物です。

子どもに対してできること

治療やカウンセリングではない周囲の大人ができることは、とにかくこまめに声をかけてあげることです。 避難所や被災地では大人も言葉が少なくなり、子どもが声を出すのも自粛するムードができてしまいます。ですが「静かにしてなさい」「じっとしていなさい」を続けてはいけません。

大人の側にも余裕が無くなっています。イライラを子どもにぶつけないようにしましょう。できるだけ言葉を出してやりとりをしてください。

そして次は身体的なスキンシップです。「もう大きくなったから」という年齢でも大人の側から抱っこしてあげたり手を繋いであげたりしてください。

一時的に子どもの心は弱っています。普段は背伸びをしたり大人のマネをして頑張っている子どもの心も折れそうになっています。実年齢より少し小さい子に接するように接してあげてください。

そして最後に、一人にしないであげてください。必ず人がいるところ。せめて姿が見える場所にいてあげてください。それだけでも安心します。

乳幼児の心の傷

子どもが泣いていないから安心と考えないでください。PTSDの場合は「泣くこともできない」のです。治療して症状が緩和されて初めて涙が出てくる子どももいます。

また被災地ではない家庭でもテレビの震災報道の特別番組をずっと見ている家庭も多いかと思いますが、これは見ているだけでも心理的なストレスを抱え込んでしまいます。

大人はもちろん、子どもには悲惨な自然災害の様子を長時間見続けることが大きなストレスになることに注意してください。

以下は日本心理臨床学会から報道関係者への訴えです。

「被災した子どもたちに被災体験を語らせたり、絵を描かせたりしないでください。被災体験は、安全・安心・信頼の関係性のなかで表現されてこそ、回復への力になります。逆に、安心・信頼のないなか表現を強いることは二次被害を与えます」

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ですが被災され緊急の事態の場合には、今手元にあるCDやラジオ、お気に入りの音楽でもかまいません。それすらない場合は大声で歌をうたうことでも良いです。また音楽以外の方法でもかまいませんから最初に心を落ち着けてください。

身体の安全や食料、ライフラインの確保ができたら無理を押して活動をする前に少しでも心のケアを忘れないでください。