「どっちがいい?」相手を知る言葉


まだまだ自分の意見を整理して伝えるのが苦手な子ども時代。見ているこちらも随分ともどかしい思いをすることになります。
何でも大人が勝手に決めてしまうのでは、子どもはいつも不満です。ですが余裕を持って子どもと話し合う時間がない時には「どっちがいい?」の言葉を使ってみましょう。

使用目的

何かを決める時に大人だけの意見を通していると、子どもの中でどんどん不満がたまってきます。だからといって子どもに聞いてみても要領を得ず、ハッキリとした意見が出てこない時があります。

自分の意見を言うには、それに応じた練習が必要です。まずは二者択一などから選択肢を狭めた質問をだしてみて、それに答えることを学んでもらいましょう。

幼児期の最初では、まだまだ自分の好みや選択にはとれほど明確な理由はありません。「なんとなく」や「大きいから」「赤いから」等の、その場で目についた特徴や気分で答えが変わります。

ですが、そのように「何かを選ぶ」ことを繰り返すうちに、自分の好みや選択基準が次第に整っていくのです。「なんとなく」だからといって軽く見ずに、将来もっと重大な選択をするための練習期間だと思って見守りましょう。

メリット

あらかじめ大人側で選択肢を絞り込んで質問するため、答えがどちらだろうと大人は安心して受け止められます。

子どもも「自分の意見が反映された」「言うことを聞いてくれた」という思いがあるために満足し、民主的なやりとりの学習にもなります。

また選ぶ段階でよく考えたり、じっくり観察したりするために、注意力や思考力を育てることにもなります。これは自分から何かを選び取る場面でなければ、なかなか伸びない能力なのでチャンスを生かしたいところです。

デメリット

「どっちがいい?」と聞かれた時に、それが子どもにとって「両方とも良い」場合には困ったことになります。甲乙付けがたい選択というのは世の中に沢山あるものです。決断力の未熟な子ども時代であれば尚更です。

また「どちらとも嫌だ」という場合もあるでしょう。これも困ります。苦渋の選択というのも世の中には多いものです。

「どちらか一方しか選択できない」「嫌でも必ず選ばなければならない」という理由をきちんと理解できていないと、子どもにとって「いじわるな質問をされている」ように感じられるでしょう。

選ぶのが難しい時には、すぐに「嫌だ嫌だ」「なんでそんな事言うの」「選べないよ」と駄々をこねて、時には泣き出すこともあるでしょう。

「面倒なことになりそうな」質問の場面では、問いかけをする時点でできるだけ言葉を尽くして、自分で選ぶことの大事さを伝えてあげてください。

必要になる場面

言葉が出る前、赤ちゃんの時期から目の前に物を二つだして選ばせるということは行われます。「どっちがいい?」という問いかけは、その延長線上にあるものですが「言葉を使って質問する」「考える猶予期間をハッキリ与える」「選ばれなかった選択肢は明確に消える」ことが違います。

「こっち」という言葉が出てきて、指さしができるようになれば、どんどん使っていきましょう。ですが、いきなり難しい質問、選びにくい選択をさせるのは待ってください。

最初のうちは即答できるような簡単な質問から初めて、「自分で選ぶ」ことに慣れてください。できれば「この子はたぶんこっちを選ぶだろう」という「正解」がわかっている質問から始めるのがよいでしょう。

使用例

「どっちのお菓子が食べたい?」
「外に行くのと家にいるのはどっちがいい?」
「青色と赤色、どっちが好き?」
「遊びに行く?行かない?」

使用後の注意点

どうしても答えが決まらないようなら、大人がそれぞれの選択肢のプレゼンテーションをしてみてください。「こっちを選ぶと楽しそうだよ」「あっちは凄く良さそうだよ」など宣伝をするのです。

それでも決まらない時には、少しプレゼンの内容を偏らせて片方に注意を誘導してみてください。じれったくて「もう選ばないんだったら、こっちでいいのね」と大人が決めてしまうことは、なるべく止めましょう。「自分の意志で選んだ」という過程が大事なのです。

一番の問題は後から「やっぱりあっちが良かった」と言い出すことです。これは二者択一に慣れないうちは必ず起こる問題です。これにどう対処するのかで、約束を守ることや自分で選ぶこと、言うことを聞くこと全てに大きく関わってきます。

もちろん後から変更できない質問は選ぶ前に納得いくまで説明することが重要ですが、それでも後になって「あっちが良かった」「こっちは嫌だ」と言い出す場合には、それが実は変更可能だった場合にも、できるだけ変えないようにするのが肝心です。

まず「自分で選んだんだから」という説明から入り、選択を後悔していることについてだけ同情するようにします。最後に「次の機会にはあっちにしてみよう」とチャンスを提示して話を打ち切るのがよいでしょう。

「さっき選んじゃったからしょうがないね」「失敗しちゃったかな、残念だったね」「今度選ぶ時は他のにしてみようか?」という流れを上手く使ってください。

応用

慣れてくれば二者択一だけでなく三択や四択、それ以上に挑戦してみましょう。もっと悩んで決断する練習のためでもあります。

慣れないままだと、二択の場合以上に「ぱっと見」の第一印象で選ぶことが多くなるため、きちんと子どもが一呼吸以上悩んで決断する選択肢の数を調整していきましょう。

また長い言葉を理解できるようになれば、条件付の二択にも挑戦していきましょう。「歯を磨くのは面倒くさくて口の中が気持ち悪い、でも歯を磨かなければ虫歯になって歯医者に行かなきゃならない」というような、それぞれに良い点と悪い点がある二者択一も世の中には多いのです。

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