待てない子ども

待てないのは先の見通しが持てないから

「ちょっと待っててね」が通じない子どもがいます。待てる限度が短く忍耐力が無い子は、成長するにともなって少しずつ待てるようになるものです。

ですが、時間の長い短いにかかわらず少しも「待てない」子どもがいます。これは待つことに慣れていない、待っている時間の後の見通しが持てていないからです。

後どれくらい待てばいいのか、待った後にどんないいことがあるのか、最初にきちんと説明しましょう。言葉や時計での指示が難しい時には、ジェスチャーやわかりやすいモノで代用するとよいでしょう。

じっとして待っている、何かしながら待っている

待っていると良いことがある、という経験をつむことで次第に待つことに慣れていきます。ですが、最初の一回が難しいもので、本人が待つことが出来ずに怒られたり、親のほうが根負けしてご褒美を前倒しで出してしまったりします。

この場合は大抵「じっとして」待たせているケースが多いものです。最初からこれでは難しいし、本人も待つことの苦痛だけを感じることになります。

なので待たせる時に、本人の気をうまく逸らして、何かしながら待っていられるように誘導します。「おもちゃで遊んでいてね」「本を読んでいてね」等の本人が待っていると意識しないですむことから始めるとよいでしょう。

それができるようになってから「イスに座っていてね」「この部屋にいてね」等の本格的な待つ練習に入りましょう。

否定の意味で「後で」「待っててね」を使わない

子どもにせがまれたり面倒な場合に、拒否や否定の意味で「後でね」「また今度ね」「待っててね」という言葉を使っていませんか?

この対応をされた子どもは毎回ウソをつかれてガッカリすることになります。そうすれば本当に「もうちょっと後で」「次の日曜に」と説明しても絶対に待つことはできません。

その場限りの会話ですが、ちゃんとした約束、契約です。「後で」「また今度」といったらきちんと約束を守るようにしてください。ちゃんと待っていれば「約束を守ってもらえる」という経験を重ねることで、人は忍耐強く成長していくのです。