新年度の幼児のメンタルケアの注意点
3月も終わりに近づくと身の回りに変化がおとずれ、生活パターンが大きく変わる人も多いかと思います。今回は「新年度の幼児のメンタルケアの注意点」を取り上げていきます。
新入園、クラス替え、新入学まで
この時期に幼稚園に入園したり、小学校に入学する子ども達の中には、急激な生活の変化にビックリして心理的なストレスがたまってしまう子もたくさんいます。
大人にとっては「生活環境の変化」自体を何度も経験し見通しも持てることですが、子どもにとっては初めての大変化です。
混乱し軽いパニック状態に陥ることもあります。客観的に自分を取り巻く環境を理解できないので、周囲の大人はよく言い聞かせて、丁寧に説明するようにしてください。
家族の変化に巻き込まれる子ども
赤ちゃん、保育園等の園児も変化がないわけではありません。パパやママの転勤や異動、兄姉や同居家族の学校への入学、進級などで、家庭内の生活サイクルが大幅に変化するのです。
また家族の転居や仕事内容の変化に伴って保育園への入園、他園への転園などもおこってきます。この場合は事前の説明期間も短く、急な決定や変更も重なることが多く、子どもの側としてはワケもわからず振りまわされることになります。
もちろん家族全体の問題であり、赤ちゃんや子どもにも我慢してもらう場面が多くなるのはしかたありません。ですが、できるだけ声をかけてストレスを軽減し、長時間の我慢や無理を要求を減らしていくように心がけましょう。
言葉で説明できる歳になっているのなら、できるだけ「事前に」説明することが重要なポイントです。人生経験があまりにも少ない幼児の段階。大人にとっては当たり前の予測や予想でも、情報を持たない子どもは、先読みができず余計に混乱することになります。
この後にどうなるのか、何があるのか、いつ頃のことなのか、どれくらい我慢すればいいのか、その理由はなんなのか。生活の変化の内容を、言葉を尽くして説明してあげてください。
子どもの心理不安のチェックポイント
最初は環境の変化の新鮮さに喜んでいるような子でも、それが「一時的ではなく、ずっと続くこと」だと実感するにつれて次第に心理的な負担がかかってきます。
その子どもの心の変化、隠れたストレスや不安を見逃さないチェックポイントをまとめてみました。
- 急にビクッとしたりキョロキョロしだす
- 寒さ以外で震えている
- 視線が合わない、伏し目がちになる
- 疲れやすい、活発さがなくなる
- 口数が極端に少なくなる
- 声が小さくボソボソしゃべるようになる
- 怒りっぽくなる、感情の変化が激しい
- モノを投げたり人を叩いたりする
- 泣き出すことが多い、泣く理由がわからない
- 急な赤ちゃん返り、甘え
心当たりが複数あるようなら、慌てずに子どもの様子をよく観察して、ふれ合う時間と会話を増やしていきましょう。
手軽にできる子どものストレス解消
ここでは手軽にすぐ実行できる乳幼児向けのストレス解消を一覧にまとめてみました。普段からやっていることも多いでしょうが、子どもの状態に合わせて導入して生活を活気づけていきましょう。
心を動かす、感動する、大笑いする
テレビ番組、音楽を聴く、アニメや漫画、テレビゲーム、絵本や画集、写真集
出かける、気分を変える
窓から外を見る、自然の風景にふれる、近所を散歩、公園に行く、通ったことがない道を通る、野山や海へ
食べる、飲む、嗜好品
外食や贅沢品、好物、お菓子、食べたことのないフルーツやスイーツ、入ったことのない店での食事、日本茶、紅茶、お香、アロマオイル、ハーブ
そして、もちろん一番のストレスや負担の軽減は家族とのふれあい、会話です。ママやパパもストレスが貯まりやすい時期ですが、上手に気分転換することで、親子そろって生活や環境の変化を乗り切りましょう。